WRCといえば、公道など、普段使われている道路をレース用に封鎖して、決められた区間をタイムアタックでものすごい勢いで走っていくレースと言うと、知らない方にもなんとなく伝わるでしょうか。
そんなレースに出場する車には、初心者マークを付けているものがあります。WRCに出場する選手は長年車を運転しているはずだから、なぜ初心者マークをと思う方もいるかと思います。
日本に来たから親しみを込めてつけたり、おしゃれのためにつけているのでは?と思う方々もいるようです。
しかし、凄腕のドライバーが初心者マークをつけているのはちゃんとした理由がありました。その内容について解説していきます。
WRCの出場車に初心者マークがついているのはなぜ?
WRCの車両に初心者マークがついている理由を紹介していきます。
WRC ラリージャパン競技が開催される場所の特殊性
ラリーは複数の競技区間(スペシャルステージ:SS)をタイムアタックをして合計のタイムで勝敗を競いますが、スペシャルステージは連続した道路で設定されているわけではなく、スペシャルステージごとに場所が異なります。
11月12日(土)の競技予定をお知らせします
7:12〜SS8 Nukata Forest 1
8:08〜SS9 Lake Mikawako 1
9:03〜SS10 Shinshiro City
12:42〜SS11 Nukata Forest 2
13:38〜SS12 Lake Mikawako 2
15:35〜SS13/14 Okazaki City#ラリージャパン #ラリージャパン2022#rallyjapan #rallyjapan2022 #wrc pic.twitter.com/eQuMIInoTW— フォーラムエイト・ラリージャパン (@WRC_RallyJapan) November 11, 2022
このように分かれているので、スペシャルステージとスペシャルステージの間の区間は公道を走行することになります。その為、日本では一般車両と同じように道路交通法を順守する必要があります。
WRC車に初心者マークが貼られるのは日本で使用可の免許を取得して1年以内だから
そこで出てくる疑問が「ラリーに出場する選手は国際免許を持っているだろうから大丈夫なのでは?」と思う方も少なくないと思います。
しかしながら国際免許には種類があり、日本で使えないものを持っていた場合は、今回のラリーのために取得をする必要があります。
そのため、道路交通法によって、取得1年以内の為初心者マークを付ける義務が発生します。
世界で使える国際免許には2種類ある
国際免許には2つの種類があり、それぞれの国はそれぞれの条約と締結した国際免許であれば、公道を走行することができます。
・ジュネーブ条約に基づく国際免許(日本で使用可能)
・ウィーン条約に基づいた国際免許(日本で使用不可)
日本はジュネーブ条約としか条約の締結をしていない為、ウィーン条約で利用できる国際免許しか取得をしていない場合は、無免許状態となり、公道を走行することができなくなっています。
そのため、日本で使える免許を最近取得した選手は、初心者マークを付ける必要があるのです。
初心者マークはシャレじゃなく、国際免許がない国のドライバーは日本の教習所でこのラリーのために免許取得するので、法律に基づいてちゃんと貼ってるらしい #ラリージャパン #RallyJapan #wrcjp pic.twitter.com/DoqQjWs5ki
— Yaris1043(ヤリス日記) (@ogapon1043) November 11, 2022
WRCラリージャパンで初心者マーク意外に法令順守をしている特殊な例
公道を走るため、車両にはナンバープレートも必要になります。
日本で観れて感無量です#WRCjp pic.twitter.com/YUGoeFoZcq
— dharma (@dharma_szk) November 11, 2022
このように車両の後方部分に赤い斜線がひかれたナンバープレートを見ることができます。
こちらのナンバープレート、は車検切れの車を運転する際などに必要な「自動車臨時運航許可」(仮ナンバー)と同じように見えますが、今回使用されているのは、ラリー競技レース用に用意されたもののようです。
https://twitter.com/kieyza/status/1590918984366718977
WRCの出場車が日本で初心者マークを付けている理由のまとめ
WRCで初心者マークを付けているのは、単なるおしゃれではなく、法令順守ということがわかりました。
ラリーは公道も使用するという特殊上、サーキットのみの走行では気にしないでいい道路交通法もしっかりと順守する必要があります。
モータースポーツという非日常の中に、日常が紛れ込んでいることを体験することができるのも、ラリーならではの楽しさなのではないかなと感じました。