東京から福岡まで、およそ14時間を走り抜ける「はかた号」。
夜行バスの中でもキングオブ夜行バスと呼ばれ、ご存じの方も多いはず。
「水曜どうでしょう」の企画「サイコロ5」で過酷なつらい旅として知っている方もいらっしゃると思います。
最近では、2列で個室の「プレミアムシート」でも有名なはかた号ですが、「安いほうのシートはやっぱり過酷なんじゃないの?」って思う方もいらっしゃると思います。
今回、安いほうの3列「ビジネスシート」に実際に乗車したので、その感想を口コミレビューとして詳しくレポートしていきます。
はかた号を使うシーン:どんなときに選ばれる?
はかた号を使用するシーンの例を紹介
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費用を抑えたい長距離移動
→直前でも空きがあれば新幹線・飛行機より安く、夜間に移動して宿代と交通費を節約。 -
翌朝から動きたいビジネス/イベント遠征
→飛行機の朝イチに起きれるか不安な人は夜のうちに移動し、朝から予定に確実に間に合わせることができます。
特に博多→東京(新宿)は到着が9:19と朝からの予定でもかなり便利です。 -
帰省・週末弾丸
→金曜夜~日曜朝の“弾丸”パターンで最大限動けます。 -
緊急時のバックアップ
→航空便や新幹線が高額・満席・寝過ごし等の“詰み”局面の代替になります。 -
睡眠重視の長距離移動
→バスの揺れが問題ない人は3列独立+アメニティで「長時間の乗車でもしっかり寝て到着」することが可能です
私の今回のシーンはどのようなものだったか
今回の乗車は「緊急の代替手段」としての活用でした。
金曜に東京に予定があり、そのあとは特になかったため、本来は土曜日の朝イチの飛行機で帰る予定でしたが、寝過ごして搭乗できませんでした。
新幹線・飛行機は当日だと高額のオンパレードの中、少しでも安く帰れたらと、以前から気になっていたはかた号の3列シートを調べたところ、空席を見つけ即予約。
もともと乗ってみたかったこともあり、土曜夜に新宿バスタから乗車→日曜朝に福岡着という流れで利用しました。
結果として「緊急でも候補になる」「翌朝から普通に動ける」という実感が得られました。
はかた号とは?(概要と運行情報)
運行区間と所要時間
はかた号は、西日本鉄道(西鉄)が運行する東京〜福岡間の夜行高速バスです。
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所要時間:約14時間
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運行本数:毎日上下1便(臨時で2号車が出る場合有)
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乗車バス停・時刻表は下の票の通り(2025年8月時点)
往路(福岡→東京) | 復路(東京→福岡) | ||||
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乗車区分 | 時刻 | 乗降車バス停 | 乗車区分 | 時刻 | 乗降車バス停 |
乗車のみ | 18:40 | 博多バスターミナル | 乗車のみ | 21:00 | バスタ新宿 |
乗車のみ | 19:00 | 西鉄天神高速バスターミナル | ↓ | ||
乗車のみ | 19:55 | 黒崎インター(引野口) | 降車のみ | 10:11 | 黒崎インター(引野口) |
乗車のみ | 20:16 | 砂津 | 降車のみ | 9:55 | 砂津 |
乗車のみ | 20:20 | 小倉駅前 | 降車のみ | 9:51 | 小倉駅前 |
↓ | 降車のみ | 11:17 | 博多バスターミナル | ||
降車のみ | 9:19 | バスタ新宿 | 降車のみ | 11:02 | 西鉄天神高速バスターミナル |
座席タイプと設備
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ビジネスシート(3列独立シート[18席])
→・高級感のある本革+モケットシート(今回乗車) -
プレミアムシート(個室型シート[4席])
→・快適なホテルステイを思わせる完全なプライベート空間
・上質なリラクゼーションと快適な眠りを作り出す充実した機能
トイレ付き車両で、長距離移動を考慮したリクライニング、フットレスト、電源設備などが備わっています。
予約方法と料金
はかた号は、WEB予約だと乗車時期の需給にあわせて、ダイナミックプライシングで値段が変動します。
詳細は公式サイトに記載されている予約のリンクから進んで予約を行ってください。
シート種別 | 利用者区分 | WEB予約で、オンライン決済またはコンビニエンスストア発券 (ダイナミックプライシング) |
その他(窓口・券売機など) |
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プレミアムシート | 大人 | 18,000円 ~ 25,000円 | 25,000円 |
小児 | 12,500円 ~ 15,000円 | 15,000円 | |
大人(障がい者※) | 12,500円 ~ 15,000円 | 15,000円 | |
小児(障がい者※) | 8,750円 ~ 10,000円 | 10,000円 | |
ビジネスシート | 大人 | 9,000円 ~ 20,000円 | 20,000円 |
小児 | 7,500円 ~ 10,000円 | 10,000円 | |
大人(障がい者※) | 7,500円 ~ 10,000円 | 10,000円 | |
小児(障がい者※) | 3,750円 ~ 5,000円 | 5,000円 |
※「障がい者」は各種割引の適用対象を指します。実際の適用条件・必要書類・最新料金は公式サイトをご確認ください。
はかた号3列独立シート乗車レポート(新宿→博多)
今回の乗車条件と旅程
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乗車日:7月最終週 土曜夜発〜日曜朝着
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座席位置:進行方向を見て左側後方
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混雑状況:満席
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客層:ビジネスルックな人から帰省者や旅行の装いなど、幅広かったです
出発前の準備と東京側の乗り場
新宿バスタの場所と行き方
新宿駅新南改札から直結の「バスタ新宿」が発着地です。
夜間でも明るく、人通りも多いので安心感があります。
買い出しスポット
バスタ新宿内にも売店やコンビニがありますが、夜間は混雑するため、事前に周辺のコンビニで軽食や飲み物を買っておくのがおすすめです。
持っていくべき荷物と持ち込み注意点
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貴重品(常に手元)
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飲料(500ml×2本がおすすめ)
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軽食(パン、スナック、おにぎりなど匂いの強くないもの)
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モバイルバッテリー
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耳栓またはノイズキャンセリングイヤホン
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コンセント対応充電器(手元に忘れずに)
※下に預ける荷物は到着まで取り出せません。
車内設備と座席の使い心地
シート幅・リクライニング・フットレスト
3列シートは座面も広く、体が太めの私でもゆったりと座れました。
背もたれ・脚のリクライニング、フットレストの角度調整も快適です。
3列シートの隣同士の通路の幅は一定ではなく、進行方向を向いて左側の通路幅は若干狭かったです。
体型が太めな人の場合は、進行方向を向いて左側の通路だと、左右のシートにおなかやお尻を擦ることになります。
心配な場合は、進行方向を向いて右側or中央の列の座席がおすすめです。
カーテン・プライバシーの確保
各席にはサイドカーテンがあり、完全に閉めることができます。
隣席や通路からの視線を遮りやすい構造です。
アメニティ
- ブランケット
- スリッパ
- 蒸気でホットアイマスク
これらが座席に用意されており、長時間移動の疲労軽減に役立ちました。
電源・USBポート
コンセントとUSBポートを完備。
ただし、私の席のUSBポートは不調で、モバイルバッテリーが活躍しました。
トイレの位置と使い勝手
進行方向を見て右側にあります。
トイレ利用を想定している人は右側の席か中央席が便利です。
降車休憩の流れと休憩所レポ
1回目:静岡SA(23:20頃)
出発から約3時間後の最初の休憩。広めの売店、自販機、軽食コーナーがあります。
夜食や飲み物の補充はここで済ませると安心です。
(写真:静岡SA)
2回目:佐波川SA(7:55頃)
朝の休憩と消灯の解除が佐波川SAで行われます。
到着前に乗務員の方がプライバシー保護用の列間のカーテンを上げて片付けてくれました。
佐波川SAで利用できる店舗はセブンイレブンがあり、私は揚げどりを購入してその場で食べて朝食にしました。
吉野家が併設されていますが、さすがに出発の点呼までの時間では利用する時間はなかったです。
バスに戻ると点呼があり、このとき乗務員からパックのお茶を配っていただきました。
休憩場所は2回のみ
道中その他のSAなどでも停車をしますが、乗務員の交代や、運行上必要な停車にとどまり、乗客が休憩する停車は上記の2回のSAを除くとありませんのでご注意ください。
乗車中の快適度と体力の消耗
睡眠の取りやすさ
車内は比較的静かで、揺れも少なめ。フットレストとリクライニングの組み合わせで熟睡できました。
水分・軽食の消費量
思っていた以上に水分を摂りました。500mlペットボトル2本は必須、さらに休憩時のSAで追加購入もしました。
到着後の体力
到着してからも比較的元気で、朝から福岡市内を歩き回れる程度の余裕がありました。
あると便利なアイテムまとめ
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耳栓 or ノイズキャンセリングイヤホン
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ネックピロー
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アイマスク
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モバイルバッテリー
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飲料(500ml×2本)と軽食
はかた号を選ぶメリット・注意点
メリット
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3列シートの快適さ
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アメニティの充実
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長距離でも体力消耗が少ない
注意点
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荷物は降車まで出せない
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USBポート不調の可能性(モバイルバッテリー必須)
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座席幅は右側が広めでおすすめ
まとめ:はかた号3列は長距離×快適重視の有力候補
こんな人におすすめです:
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長距離移動でも快適に過ごしたい
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夜間の移動で翌朝から活動したい
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緊急移動でも費用を抑えたい