Suicaで障害者割引が適用されるサービスは2023年3月18日に開始されました。
従来は出場時に窓口で手帳提示が必要でしたが、障害者用Suicaなら入出場とも自動改札で完結します。
- 障害者割引が適用される対象者
- 障害者割引が適用されるSuicaの購入方法
- 障害者割引が適用されるSuicaの有効期限と更新方法
- 障害者割引が適用されるSuicaでできること
- 障害者割引とアプリとの関係
- 障害者用Suicaを使用するときに便利なアイテム
を解説・紹介して行きます。
Suica障害者割引とは?対象者と基本ルール
対象者
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第1種身体障害者本人
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第1種知的障害者本人
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障害者本人を介護する任意の1名(介護者)
※精神障害者は対象外です。
※割引を受けるには、通常のSuicaではなく障害者用Suicaを利用します。
基本ルール(本人用・介護者用の2枚体制)
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本人用Suicaと介護者用Suicaを同時に購入(原則)
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本人と介護者が同時刻・同一駅・同一経路で入出場することで割引適用
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片道100km超の場合は、本人のみでも割引適用可(介護者同伴不要)
東日本旅客鉄道株式会社障がい者用ICカード乗車券取扱規約
(中略)
第2編 旅客営業
(使用方法)
第15条
障がい者は、本人用Suicaの使用にあたり、本条第3項に定める場合を除き、介護者用Suicaを使用する介護者を伴い、当該介護者と同時刻・同一駅・同一経路による乗車及び降車のために使用するものとします。
2.介護者は、介護者用Suicaの使用にあたり、障がい者を介護する目的においてのみ使用し、障がい者本人と同時刻・同一駅・同一経路による乗車及び降車のために使用するものとします。
3.障がい者は、片道の営業キロが100キロメートルを超えるときに限り、介護者用Suicaを使用する介護者を伴わずに、本人用Suicaを単独で使用できるものとします。
引用元:https://www.jreast.co.jp/suicaall/rule/pwd_suica.html
ただし、引用元の「3.」にあるとおり、片道の営業キロが100キロメートルを超える場合は、障害者本人のみでの利用も可能となっています。
障害者用Suicaの購入方法(必要書類・買える場所)
買える場所
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JR東日本のSuicaエリアのみどりの窓口
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りんかい線の定期券発売窓口(りんかいSuica)
必要なもの
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障害者手帳または療育手帳(対象確認のため提示)
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本人確認書類(求められる場合あり)
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発行手数料(エリア・種別により異なる場合あり)
PASMOについて
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PASMOにも障害者割引対応ICがあります。対象事業者の窓口で購入可能です。
障害者割引が適用されるSuicaの改札での使い方と注意点
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本人用と介護者用をそれぞれ所持し、同時刻・同一駅・同一経路で入出場します。
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片道100km超の長距離では、本人のみでの利用も可能です。
→遠方に出る際は距離の確認を忘れないようにしましょう。
アプリ(モバイルSuica/ミライロID)の対応状況
結論:割引適用は“障害者用Suica(物理カード)”が前提
現状、モバイルSuica(iPhone/Android/Apple Watch)だけで障害者割引を自動適用する運用はありません。
割引の適用は物理カードの「障害者用Suica」側で完結する仕様です。
ミライロIDは「資格確認アプリ」—改札処理とは別物
障害者用Suicaを調べる際に出てくるアプリとして、ミライロIDというものがあります。
ミライロIDは、障害者手帳情報をスマホで提示できるアプリです。
窓口での資格確認・購入手続きの際に、障碍者手帳の提示の代わりとして、ミライロIDの提示が可能です。
モバイルSuicaを障害者用Suicaに変更できるアプリではなく、ミライロIDの提示=自動改札の障害者割引自動適用ということではありません。
スマホ・アプリ運用の可否まとめ
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できること
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通常のモバイルSuicaでは、障害者割引なしのIC乗車・チャージ・決済。
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ミライロIDを窓口での資格確認に提示。
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できないこと
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モバイルSuica上で障害者割引の権利を付与・適用すること。
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本人用と介護者用の同時入出場要件をスマホ×カードの混在で代替すること。
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障害者割引が適用されるSuicaの有効期限と更新方法
障害者割引が適用されるSuicaは、一度購入したらずっと利用できるのかと言うと、そうではなく、有効期限があります。
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有効期限:購入から1年後の同月末日
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更新方法:窓口で手帳を提示して対象を確認 → 有効期限を1年延長
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失効前に余裕を持って更新するとスムーズです(混雑期は待ち時間が発生することがあります)。
障害者割引が適用されるSuicaでできること
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入場/出場とも自動改札で完結します(手帳提示のために毎回窓口に並ぶ必要がありません)
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要件を満たすことで介護者と一緒の移動がスムーズに
障害者割引が適用されないSuicaを使用して障害者割引を適用する場合は、入場時は自動改札機で入場できますが、出場時は改札窓口で手帳を見せて障害者割引を適用してもらう必要がありました。
特にJR等を頻繁に利用されている方にとっては、この毎回の手間がなくなることはかなりのメリットなのではないかと思います。
障害者用Suicaを使用するときに便利なアイテム
障害者用Suicaを使用するなら、ヘルプマークを入れてわかりやすく示すことができるパスケースがお勧めです。
電車の中ではヘルプマークを身につけておくことで、周囲からの理解を得やすいためです。
こちらのパスケースはキーホルダーになっているので、カバンやスマホなど目につきやすいところに常につけておくことができます。
また、鈴がついているため、紛失しかけたときにすぐに気付くことができるのも利点です。
まとめ:Suica障害者割引は「物理カード」が基本。アプリ(ミライロID)は資格確認用
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対象者:第1種の身体・知的障害者本人+介護者1名(※精神障害者は対象外)
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購入方法:JR東日本のSuicaエリアのみどりの窓口/りんかい線窓口で、障害者手帳または療育手帳を提示して本人用・介護者用Suicaを発行
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使い方の要点:同時刻・同一駅・同一経路で本人+介護者が入出場(※片道100km超は本人のみ可)
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アプリ対応:モバイルSuicaだけで割引の自動適用は不可。
ミライロIDは「資格確認アプリ」で、改札の割引処理との関係は無し -
有効期限:購入から1年後の同月末日。窓口で手帳を提示して毎年更新
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注意点:障害者割引を使う日は、障害者用Suicaを必ず使用